企業内保育所とは【導入するメリットやデメリット、導入手順についてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年03月04日 初回公開日:2024年03月04日

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少子高齢化や労働人口の減少だけでなく、女性の社会進出が進んでいることから女性に長く働いてもらうために工夫をしている企業も少なくありません。女性は妊娠・出産をすると、退職を余儀なくされる場合や服飾が難しい場合に直面します。企業としても今まで働いてもらっていた人に辞められてしまうのは痛手です。子育てをしている女性や、出産を機に離職してしまう女性の雇用を維持するために企業内保育所を導入する企業も増えてきています。今回は企業内保育所について解説します。経営者の方は参考にしてみてください。

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企業内保育所とは

企業が社内や近隣に設ける託児施設

企業保育所とは、企業が社内や近隣に設ける託児施設の事です。企業内保育所では、主にその企業で働いている従業員の子供を預かることを目的としています。但し企業によっては従業員の子だけではなく、その地域に住んでいる子供も対象としている場合があります。待機児童問題などにより、働きたくても働けない女性が増えていることからその対策として企業内に保育所を設ける企業が増加傾向です。また出産や子育てを理由に離職してしまう人も少なからずいるため、離職率低下を防ぐ役割も担っています。

企業内保育所が注目される背景

育児中人材の確保が必要とされている

企業内保育所が注目されているのは、育児中人材の確保が必要とされているからです。少子高齢化は日本にとって長年の問題となっていますが、少子高齢化によって最近では年々労働人口も減少してきています。人材を確保したい企業にとって、労働人口の減少は大きな問題です。子育て世代と言われている人たちは、社会人経験もあり企業としても欠かせない人材です。しかし子供を産む前と同じ条件で働くことは難しく、子育てと仕事の両立支援として企業内保育所が注目されています。

託児所が不足している

企業内保育所は託児所が不足していることからも注目されています。最近では子供を産んでも働き続けたいと考えている女性が増えていますが、働き続けるためには預けられる場所が必要です。しかし日本では待機児童問題が長年解決されておらず、地域の保育園に預けたくても預けられない人も少なくありません。少子化が進んだ2000年ごろから地域の託児所や保育所の経営が苦しくなり、相次いで閉園に追い込まれました。こういった事態を改善するために、企業内保育所が増えてきています。

女性が活躍する職場が増えている

女性が活躍する職場が増えている事も、企業内保育所が注目されている理由です。企業内保育所は特に医療施設や会議施設で設置が増加しています。高齢化によって医療施設に十分な人手が確保されていないのが現状です。介護士や看護師の資格を持っている比率は女性が多く、勤務先に保育施設があることで安心して働くことが出来ます。こういった状況の中で、女性比率が高い職場においては企業内保育所の設置が年々増加傾向にあります。

企業内保育所の種類

認可保育所

企業内保育所には、認可保育所があります。認可保育所は事業所内保育所とも呼ばれ、国によって定められている児童福祉法に基づいた基準を満たし地方自治体に認可された保育所です。国が定めた基準には、施設の広さ・保育士の人数・調理や防災、衛生に関する設備や監理がしっかり行われているかなど様々な項目があります。児童福祉法によって基準を満たすことは勿論ですが、自治体によって更に細かい項目が定められている事もあります。

認可外保育所

企業内保育所の種類として、認可外保育所があります。認可外保育所とは、認可保育所と違い自治体から許可されていない保育所です。保育所は国が定めている基準を満たしていない場合でも運営を行う事が可能です。認可保育所と違い、保育日数や保育時間など自由度が高いことがメリットです。認可外と言っても、国や地方自治体によって設置には異なる条件があり、自治体への報告や届け出は必要です。認可外は国からの補助金が出ないため、コストが掛かる点がデメリットといえます。

企業主導型保育所

企業主導型保育所も、企業内保育所の一つです。企業主導型保育所は認可・認可外と異なり自治体への届け出は必要ありません。企業主導型は内閣府主導で行われている認可外保育所に該当するため、届け出は内閣府あてに行います。企業主導型保育所は、労働者の育児と仕事の両立支援が目的としていることから認可保育所と比べるとクリアすべき条件の自由度は高くなっています。認可外保育所ですが、保育施設の整備費及び運営費について助成金を受け取ることも可能です。

託児スペース

託児スペースも企業内保育所に該当します。託児スペースは他の認可・認可外保育所と違って簡易的な場所で従業員の乳幼児の預かりを行います。そのため、託児スペースを運営する際には地方自治体への届け出は必要ありません。先述した3つの保育所は、国や自治体に届け出を行っているため従業員に限定せず乳幼児を預かることが出来ますが、託児スペースでは従業員の乳幼児のみに限定されます。企業内保育所として一番ハードルが低いため、取り入れやすくなっています。

企業内保育所の導入のメリット

育児と仕事の両立支援ができる

企業内保育所を導入するメリットは、育児と仕事の両立支援が出来る事です。企業内や勤務先の近くに子供を預かってくれる場所があれば、出産後も女性は安心して働くことが出来ます。わざわざ遠くの保育所に送っていくのではなく、通勤の途中に預けることが出来ることで仕事と子育てを両立させやすくなります。子どもが近くにいる事で、発熱などの場合もすぐに対応できるため、安心して働くことが可能です。従業員の満足度向上にも繋がっていきます。

育児を理由に離職する人が減る

企業内保育所を導入することで、育児を理由に離職する人が減ります。待機児童が多い問題で、保育所に落ちた場合に近くに子供を見てくれる人がいなければ育児を理由に退職するしかありません。企業内に保育所があれば辞める可能性が低くなり、また育児休業中に預入先となる保育所を探す必要もなくなります。預け先が決まっていれば、早めの復職を行う事も可能となり育児休業を取る人だけでなく周りの社員にとってもメリットといえます。

企業の社会的評価が向上する

企業の社会的評判が向上するのも、企業内保育所を導入するメリットです。企業内保育所を上手く運営することが出来れば、女性社員が安心して働ける職場環境となります。これにより離職率低下だけでなく、勤続年数も安定するため優秀な人材が集まりやすくなります。またワークライフバランスを重視している人も多い中で、育児と仕事の支援を行っているという口コミが広がると募集を掛けずとも人材を集めることが出来るようになります。結果として強い企業になり、生産性を上げる事にも繋がっていきます。

企業内保育所の導入のデメリット

子供に集団行動の提供をしにくい

企業内保育所の導入時のデメリットは、子供に集団高度王の提供をしにくい点です。一般的な保育所では、ある程度の人数の乳幼児が集まり集団行動をし様々な事を学んでいきます。しかし企業内保育所では通常の保育所と同等の人数を預からない可能性もあるため、集団行動を提供することが難しく経験する機会があまりない可能性があります。保育所は集団生活や他人と一緒に過ごすためのルールを学ぶ重要な場所です。そういった経験がしづらくなってしまうのが、企業内保育所のデメリットといえます。

企業内保育所の導入の手順

設置要件を確認する

企業内保育所を導入するには、まず設置要件を確認しましょう。企業内保育所を設置するには、様々な設置要件を満たさなければなりません。雇用が必要な保育士の数は、預かる年齢や人数によって異なります。子供を保育する上で、全員が保育士資格を持っている必要はありませんが、有資格者が半数以上必要です。他にも消防設備や、受け入れ人数に対して給食設備を設置するなど様々な設置要件があります。また自治体によっても設置要件は異なるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

利用者のニーズを確認する

企業内保育所の設置要件を確認した後は、利用者のニーズを確認します。企業内保育所の運営を検討する際には、従業員に何歳の子供がいるのかを把握する必要があります。乳幼児を抱えている従業員の人数を正確に把握することで、必要な保育士の数などが決まります。また事前に従業員に企業内保育所の必要性を確認しなかった場合、せっかく運営を始めても利用してもらえないという事も考えられます。ただ預かるだけでは検討されないこともあるため、保育内容を充実させることも重要です。

保育料を設定する

企業内保育所の導入する際には、保育料をいくらに設定するのか決めておくことが重要です。ニーズを確かめ、必要な保育士の数が決まった際には保育料の設定をします。企業内保育所の相場となっている保育料は、大体3万円前後です。保育所の施設や設備、預かる人数によって多少変動はしますが認可保育所でも同じくらいの保育料になっています。また企業内保育所では内閣府から助成金を受けることが出来るため、低い保育料に設定することが可能です。福利厚生の一環として一部を企業が負担している所もあります。

設置方法を検討する

設置方法を検討することも、企業内保育所を導入する際に重要な手順です。企業内保育所には3種類あります。一つ目は企業が単独で運営を行う単独設置型です。他にも、共同設置・共同利用型があり1つの企業もしくは複数の企業が設置した保育施設に、複数の企業が共同で利用する保育所です。3つ目は保育事業者設置型と言われ、保育事業者が運営している保育施設に一つまたは複数の企業が共同で利用する場合です。この3つだけでなく、地域の子供を受け入れるかどうかも検討する必要があります。

運営方法を検討する

運営方法を検討して、企業内保育所をどのように運営していくのかを決めます。企業内保育所の運営は、自社で運営を行う自社直営と専門の保育業者へ委託する2つの方法があります。自社直営の場合は、全てを社内で行うため必要な保育士の雇用なども行います。企業内保育所を導入する企業が増えていますが、その多くが専門の保育業者へ委託しています。直営の場合は運営からすべてを行っているため、管理はしやすくなっていますが導入する際に様々な時間や工数が掛かります。委託することで様々な手間を省くことが出来ます。

まとめ

企業内保育所の特徴を理解して導入を検討しよう

企業内保育所が注目されている背景や、導入するメリット・導入する際の手順などについて解説しました。企業内保育所を導入するには、施設の確保や保育士の確保など様々な定められた要件を満たす必要があり労力が必要になる作業です。しかし女性従業員に長く働いてもらい、従業員のエンゲージメントを高める事で生産性の向上だけでなく企業の知名度アップにも繋がります。自社としての課題や従業員のニーズをしっかりと加味した上で、運営していく事が大切です。企業内保育所の特徴を理解して導入を検討していきましょう。

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